海外駐在の極意 No.1【中国】
2017.11.01
海外駐在経験者へのインタビュー第1号としてお話をお伺いさせて頂いたのは、中国上海をベースに、製造4社及び営業の13,000人を統括する総経理として8年5か月駐在された川口さんです。
「駐在で大変だったこと」をお聞きしてもなかなか出て来ず、次の駐在も中国がいいと言っておられますが、自信を持って「駐在成功の鍵」についてお話し頂きました。
- 氏名
- 川口 雅己 (かわぐちまさみ)
- 現職
- 株式会社三建 代表取締役社長
- 国・都市
- 中国・上海
- 期間
- 8年5か月 (2005年11月~2014年3月)
- 会社名
- パナソニック(中国)有限公司エコソリューションズ社
- 役職
- 総経理
- 機能
- 製造4社及び営業
- 従業員数
- 13,000人
- 直属上司
- 日本本社海外事業部門トップ及び事業部長
- 直属部下
- 日本人駐在員10人、中国人15人
- 楽しかったこと
- ・中国市場の躍動感、消費の拡大や経済発展を肌で感じることができたこと
・みんな元気で前向き、ヒトがよくて、一緒に働きやすい中国人と働くことができたこと
・自分のことを外国人としてはみなさず、日本人以上に自分が受け入れられたこと
・完璧主義の日本では経験できないようなハプニングに遭遇できたこと - 苦労したこと、大変だったこと
- ・あまりつらいことはなかった
・食中毒5回、点滴5回、下痢で離陸する飛行機をとめたことがある - マネジメント上で成功したこと
- ・PDCAを回すことができたこと
・経営指標となる数字を見える化して、会社の現状を説明し、必要な改善を共通化することで、中国人従業員が、日本人以上に、自然に考えて動き出すことが経験できたこと
・今でも会って、飲むほど仲良くなる友人ができたこと - マネジメント上で失敗したこと
- ・最初は中国語が全くできず、ニュアンスや忖度が通じず、困った
・結論を先に言うこと、ということがわかってからはうまくいった
・財務内容・コンプライアンス違反を見抜くことができないこともあった
・ある事情を日本へ移管することになりリストラ策を発表したらロックアウト発生。怖がらなかった日本人は珍しいと言われた。出されたものを食さず警察が動き出して解決に向かった。日本人は脅すといい条件が出るという噂が出回っていた。工場を毎日見回っていた前任総経理と比べて現場から遠くなって信頼関係が薄れたことがロックアウトの原因だと反省した - 海外駐在の極意
- ・PDCAを回すこと。会社全体の目標を掲げ、役割を細分化し、ミッションを与え、個別に目標設定し、相手を認め、動機づけ、サポートしながら、一緒にやり、結果を評価する。PDCAを回せば、どんどん走り出す
・日本企業、日本人だから、と本社を大切にしすぎたり、日本のやり方を押し付けることはよくない
・現地にきたのなら、現地のやり方、ルール、商習慣や現地の人を尊重する - これから海外駐在する人が準備しておくべきこと
- ・「対人理解力」 コミュニケーション力、人と会うことが好きで、会話し、交流し、一緒に何かをするのが好きになること
・マネジメント、公正に評価する
・語学(英語か中国語)はできたほうがいい
・異文化適合能力
・何にでも好奇心をもてる知的好奇心
・ポジティブ - 次の駐在はどこがいいか?
- ・中国。中国市場では何かできそう。